どんな職業か
専門的知識及び技術をもって、子どもの保育を行うとともに、保護者に対し子育てに関する支援や助言・指導を行う。認可保育所をはじめとする保育施設において、保護者が仕事のため日中に家庭で保育ができない場合など、主に就学前の保育を必要とする子どもの保育に従事する保育士が多くを占めている。他にも、後述するように保育所以外の児童福祉施設等、様々な職場がある。 保育所における保育は、子どもの健康・安全が守られ情緒の安定が図られることを基盤としたうえで、生活や遊びのなかで周囲の環境と関わりあう体験を通して資質・能力が育まれていくという幼児教育の基本的な考え方のもと行われる。保育内容は「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」という5つの領域からなっており、保育士は、保育が適切に展開されるよう、一人一人の発達過程や状況を踏まえながら指導計画を作成し、保育に当たる。 保育所にはゼロ歳から6歳までの子どもがいるので、担当する子どもの年齢によって、仕事の内容や対応の仕方が異なる。例えば、乳児を保育する場合には、授乳やおむつの取り替えを行ったり、幼児期の終わりが近くなると小学校教育との接続を意識した活動を行ったりする。日々の保育では、食事やおやつ、着替え、午睡、排泄などの生活習慣に関わる援助や、集団での遊びや自然との触れ合いなど、子どもたちの発達や興味・関心に即した様々な遊びが生まれ、発展していくような環境づくりや働きかけを行う。 また、保育士は、常に子どもをよく観察して、具合が悪くなったり、怪我をした場合は、保護者や病院に連絡をとるなど、すぐに適切な処置を行う。また、送り迎えの際のやりとりや連絡帳などを通じて、日頃から保護者と子どもについての情報を共有し、必要に応じて相談や助言を行う。 さらに、保育日誌等の記録作成や行事の企画など、事務的な仕事もある。
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 4.3 | 247 / 498 | 上位50% |
| 説明力 | 3.9 | 255 / 498 | 上位51% |
| 指導 | 3.8 | 184 / 498 | 上位37% |
| 他者の反応の理解 | 3.7 | 186 / 498 | 上位37% |
| 文章力 | 3.5 | 270 / 498 | 上位54% |
| 他者との調整 | 3.2 | 286 / 498 | 上位57% |
| 対人援助サービス | 3.2 | 197 / 498 | 上位40% |
| 読解力 | 3.2 | 359 / 498 | 上位72% |
| 説得 | 3.0 | 288 / 498 | 上位58% |
| 継続的観察と評価 | 2.9 | 289 / 498 | 上位58% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 教育訓練 | 2.6 | 30 / 508 | 上位6% |
| 心理学 | 2.4 | 45 / 508 | 上位9% |
| 社会学 | 1.9 | 55 / 508 | 上位11% |
| 芸術 | 1.8 | 47 / 508 | 上位9% |
| セラピーとカウンセリング | 1.8 | 62 / 508 | 上位12% |
| 顧客サービス・対人サービス | 1.8 | 286 / 508 | 上位56% |
| コミュニケーションとメディア | 1.7 | 158 / 508 | 上位31% |
| 事務処理 | 1.7 | 298 / 508 | 上位59% |
| 日本語の語彙・文法 | 1.6 | 228 / 508 | 上位45% |
| 医学・歯学 | 1.5 | 89 / 508 | 上位18% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| トラブルの察知 | 3.7 | 44 / 426 | 上位10% |
| 発話表現 | 3.3 | 122 / 426 | 上位29% |
| 一瞬で素早く反応する力 | 3.3 | 25 / 426 | 上位6% |
| 記述表現 | 3.2 | 130 / 426 | 上位31% |
| アイデアや代案を数多く生み出す力 | 3.2 | 83 / 426 | 上位19% |
| 持久力(スタミナ) | 3.2 | 37 / 426 | 上位9% |
| 発話理解 | 3.1 | 135 / 426 | 上位32% |
| 演繹的推論 | 3.1 | 117 / 426 | 上位27% |
| 帰納的推論 | 3.1 | 109 / 426 | 上位26% |
| 独創性 | 3.1 | 92 / 426 | 上位22% |
仕事内容
- 保育所や託児施設で保護者に代わって小学校に上がる前の子どもたちの世話をする。
- 基本的な日常生活習慣を子供に教える。
- 衣服の着脱、玩具や本の整理などの身辺整理ができるように指導する。
- ピアノや楽器を使って音楽の指導をする。
- 子供のための食事の準備をし、食事の介助やしつけをする。
- 一人ひとりの発達状況を把握し、健やかな成長のために適切な介助や指導をする。
- 子供たちの発達段階に応じた幼児教育をする。
- 遊びを通して人との関わり、言語能力、運動能力、知的能力を育てる。
- 子供を入浴させたり、プールで水遊びをさせたりする。
- 水泳や体操教室での指導や、その補助をする。
- 障害のある子どもの支援計画を立て、療育を行う。
- 保育している乳幼児の健康状態を見守り、病気や事故の場合は保護者や医療機関と連絡を取る。
- 必要に応じて小学校などの関係機関と連携する。
- ゲームなどのレクリエーション活動を計画して運営する。
- 各種行事の準備や運営を行う。
- 幼児教育の教材を作成する。
- 保育計画や報告書などの書類を作成する。
- クラスだよりなど、保護者向けの資料を作成する。
- 子どもを観察して保育日誌や連絡ノートをつけ、保護者へその日の活動や様子を伝える。
- 必要に応じて、子どもの保護者を支援する。
- 保育所の清掃や、家具・備品の修繕など、保育環境を整備する。
- 備品の消毒など感染症対策をする。
- 新人の教育やミスをしたスタッフの指導を行う。
なるには
保育士として働くには、保育士資格を取得することが必要である。資格取得に当たっては、養成課程のある学校や施設を卒業する、あるいは保育士試験に合格する方法がある。 養成課程の多くは、大学や短大、又は専門学校の中に2年以上の課程として設けられており、通信教育や夜間教育を行っているところもある。 保育士試験は各都道府県で年2回実施されており、短大・専門学校卒業者(大学に2年以上在籍して教養課程を修了した者を含む)や、児童福祉施設において5年以上(高校卒業者は2年以上)児童の保護に従事した者などが受験できる。また通常の試験とは別に「地域限定保育士試験」が実施されることもある。 なお、保育士資格の保有者は、児童館などの児童厚生員、児童自立支援施設の児童生活支援員にも就くことができる。 保育士は多くの子どもと接するので、一定の体力が必要である。子どもが好きで、理解と愛情を持ち、責任感があることが求められる。子どもに何かあれば、いち早く対応できるよう、応急処置などの知識やスキルも必要である。また、幼い子どもは意思表示がまだ十分にできないことが多く、同時に複数の子どもの相手をする場合もあるので、根気強くそれぞれの話を聞いたり行動を待ったりする忍耐力も必要となる。他の保育士等と協働して仕事を進めることが多いので、コミュニケーション能力も求められる。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 短大卒 | 0.7 |
| 専門学校卒 | 0.3 |
| 大卒 | 0.3 |
| わからない | 0.1 |
| 高卒 | 0.0 |
| 高卒未満 | 0 |
関連する資格
- 保育士
給料
賃金構造基本統計調査では「保育士」として集計されています(2023年・全国)。この区分には2の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 271.4千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 712.2千円 |
| 平均年齢 | 38歳 |
| 平均勤続年数 | 8.5年 |
| 労働者数 | 27,416人 |
男女で見た給与
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤235千円
- ≤246千円
- ≤252.3千円
- ≤268.7千円
- ≤315.8千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
保育士のほとんどは保育所で働いているが、保育施設も種類は様々で、認可保育所、認可外保育施設、事業所内保育所、(病)院内保育所等がある。その他、児童養護施設、障害児施設、乳児院、母子生活支援施設、児童館、児童自立支援施設なども職場になる。長期入院中の子どもの保育に携わったり、各種の施設や事業所が、利用者や顧客のために行う臨時託児業務を担当するなど、保育士の資格や経験が役立つ職場も広がっている。また、就労と子育ての両立支援を目指す方向で、保育所の役割が見直されており、長時間保育や夜間保育、休日保育など、様々な形の保育が行われている。 賃金は、公営の施設で働く場合、原則として公務員の給与基準にしたがって定められている。 労働時間や勤務形態は施設によって異なり、児童養護施設など24時間入所施設では、2交替制や3交替制、あるいは宿直勤務を行う場合もある。保育所では早朝や夕方に保育時間を延長しているため、交替で時差勤務をしている。休憩は、子ども達が昼寝をしているときなどに交替でとることが多い。 共働き世帯の増加や、利用者の多様な保育ニーズに対応する必要もあり、国としても保育施策の充実を掲げていることから、引き続き大幅な需要増が見込まれる。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 幼稚園教員近さ 0.868
- 児童指導員近さ 0.804
- 障害者福祉施設指導専門員(生活支援員、就労支援員等)近さ 0.733
- 施設介護員近さ 0.703
- 学童保育指導員近さ 0.688
- 訪問介護員/ホームヘルパー近さ 0.648
- 訪問介護のサービス提供責任者近さ 0.644
- 作業療法士(OT)近さ 0.636
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)